はじめに
江戸時代、遠浅の海が広がり登戸河岸(のぶとがし)と呼ばれていた頃から360年余、京成千葉線「千葉海岸」駅(現在の西登戸)の開業と共に、景勝地と知られた登戸は数多くの避暑客が訪れる保養地へと変遷していきました。
昭和の半ばから海岸線が次第に消失したあと、高台が残り、徐々に宅地へと変貌を遂げてくる中、かつての海辺に沿うように誕生したのが、このマンションです。アントニン・レーモンドの事務所監修のもと、大正から昭和初期を彷彿とさせるディテールと、水平方向を強調したデザインに垂直のアクセントを採り入れたファサードが特色です。
全体計画
閑静な住宅地の四方を道路に接するGARDEN COURTと、二方を道路に接するFOREST COURTに別れた敷地にまたがって建てられており、FOREST COURTの南西側は千葉街道に向かって斜面を形成しています。
GARDEN COURTとFOREST COURTは、それぞれ敷地の北側のコーナー部分に3段機械式駐車場が設けられています。
住戸については、GARDEN COURTとFOREST
COURT共、南東と南西面に向いて配置されています。どちらの敷地も、マンションの出入り口と駐車場・自転車の出入り口とは完全に歩車道分離となっています。両COURTのマンション駐車台数の合算では、設置率は約80%です。
重厚なイメージを創出するために、建物の各所にホローブロック(特別デザインの素焼き風な煉瓦ブロック)が多用されています。建物の表面を飾るタイルは素焼き風のせっ器質タイルが使用され、ホローブロックと一緒になって深みのある風景が創られています。
それに上層をセットバックさせた計画により、バリエーション豊かなバルコニーが特色です。最上階に近い住戸群(一部のタイプのみ)ではルーフバルコニーの一画を更に囲ってユニークなバスバルコニーが設けられています。
コンクリートの品質は耐久性と強度を目指したコンクリートを使用し、外壁はダブル配筋、柱の帯筋は溶接閉鎖型フープ筋が採用されていて建物に強度と粘りを与えています。
建物全体の品質については、国が定める第三者機関が適正かどうかを認定する「設計住宅性能評価書」を取得していて、竣工後に「建設住宅性能評価書」を取得予定です。アウトフレーム工法も採用されており、居室内の偶部に柱型が出ないので家具等の配置の際にはすっきりと納まります。
前面道路の通行量は少なめで静かにもかかわらず、サッシは防音性能T-2(TS-30)及びT-3(TS-35、一部)等級が採用されており、また複層ガラス仕様となっています。
管理及びセキュリティーについては、管理員は週5日、1日6時間の勤務体制で、人的管理に加えて「セコムコントロールセンター」による、各住戸と共用部分の火災などの異常を察知する「24時間オンラインセキュリティシステム」が採用されています。エレベーターやエントランス、敷地内の各所には防犯カメラを設置しています。
住棟エントランスには「虹彩認証」によるオートロックシステムが、また各住戸の玄関ドアには「指紋認証」によるオートロックシステムが採用されていて入居者以外の侵入をシャットアウトしています。
そして全住戸の窓(一部の窓を除く)及び玄関ドアには防犯窓センサーを設置されていて、また住戸の玄関ドアにはダブルロックのリバーシブルディンプルキー、ピッキング対策に有効な防犯サムターン・鎌デッド錠などが採用されており防犯対策にも配慮されています。
エントランスホールそばのメールコーナーには24時間いつでも宅配物が受け取れる宅配ボックスが設置されていて便利です。
まとめ
JR総武線「西千葉」駅より徒歩約7分、京成千葉線「西登戸」駅より徒歩約6分の距離にある閑静な住宅街に位置しています。
特に「西千葉」駅は歴史ある千葉大学に隣接し、周辺は学園都市の雰囲気を漂わしています。その環境にあって、モダニズムの伝統を感じさせる整った外観がより邸宅感を醸し出し、住戸内の充実した装備類との相乗効果で住まい手に真の満足を与えることのできるマンションと言えるでしょう。

一級建築士:久我 高廣
組織設計事務所勤務後、設計事務所を20年間経営。プロダクトからインテリア、住宅設計、また商業施設、都市再開発等のプロジェクトの調査、企画、設計のコンサルティングを手がける一級建築士


